[報告]12/23リブインピース@カフェ
急速に全面化する安倍「教育再生」とその先導役としての橋下「教育改革」

 12月23日、リブインピース@カフェ 憲法問題連続企画第10回「どうなる?! 大阪の教育――教科書への介入、「君が代」強制、学力テスト公表等」を、講師に小学校教員の伊賀正浩さんを招いて行いました。20人以上が参加しました。
 12月6日に秘密保護法が強行採決・成立させられ、日本版NSCの設置、初の国家安全保障戦略の決定などが次々と出され、年明けの通常国会では、集団的自衛権の行使解禁の表明、国家安全保障基本法案の提起、盗聴法改悪、国民投票法なども目論まれる危険な情勢になってきています。
 国民監視国家・洗脳国家・警察国家・戦争準備国家を目指しているともいえる異様な事態で、安倍政権の重要な柱が教育反動の強化です。下村博文文科相は来年の通常国会を「教育再生国会」とすると表明し、教育委員会の解体と首長権限強化、道徳の教科化、「愛国心」教育の強調、政府見解記述と歴史両論併記、「近隣条項」撤廃等「国定教科書」化等々が狙われ、単に学校教育の場にとどまらず、戦前を思い起こさせるような全般的な教育への国家統制、国民洗脳が行われるような状況が生まれています。
 伊賀さんのお話は、安倍政権と橋下維新の会のもとでおころうとしている教育反動のトータルな解説でした。平和教育に対してそれが出来なくなるような攻撃が地方議員などから加えられている例や、「「休み時間、外で遊んでいる」のAの割合を90%以上にする」などなんでもかんでも数値化して目標を設定する、やたらアンケートをとって、現場の具体的な状況を無視して指示を出してくるなど、異様な教育現場の状況も報告されました。
急速に全面化する安倍「教育再生」とその先導役としての橋下「教育改革」

 資料として大森不二雄大阪市教育委員長の「教育行政及び学校運営の活性化のための区の関与・人事制度等(試案)」(大森試案)が紹介されました。この試案では、市長が本部長となり、市長が人選したメンバーで「教育改革推進本部」をつくって教育全般を思い通りにし、校長や教職員の配置や人選も市長が独占できる状況をつくり出せるなど、彼らのやろうとしていることがストレートに出ています。
「教育行政及び学校運営の活性化のための区の関与・人事制度等(試案)」(大森不二雄)

 報告と議論では、「安倍政権はこんなに教育に介入して一体何を狙っているのか」「どんな人間をつくり出そうとしているのか」「こんな教育で本当にリーダーが生まれるのか」「何も考えず国のために命を捧げる人間」「道徳教育が教科化されようとしているが、この危険性をどう知らせていけばいいか」「道徳は社会の中で育つもので、国が「こうあれ」と子どもの心に介入すべきでない」など、さまざまな意見が出、活発な議論が行われました。

2013年12月29日
リブ・イン・ピース☆9+25