11月8日 伊丹自衛隊基地周辺観察フィールドワーク報告

 あいにくの雨で予定していた行程の半分しか回れませんでした。陸上自衛隊中部方面隊総監部正門前の史跡公園で、中部方面隊の簡単な全容、海外派兵の歴史、戦争法でどう変わるのかなどを説明しました。正門横に戦車や軍用車両が展示されていました。守衛の自衛隊員に見せてもらえるように頼みましたが、広報の自衛隊員が来て「当日の申し込みで見せることは出来ない」と断られました。フェンスの外から見ることが出来ました。参加された方は、初めて戦車を見て、その異様さに驚きの声も上がりました。基地周辺を散策し、盛り土が施してある場所がありました。周辺には、軍用トラックなどが駐車していました。参加者の1人の方が、グーグルマップを取り出して、この施設が弾薬庫であることを指摘されました。盛り土の上を、銃を担いだ自衛隊員が警備している姿も確認できました。正門から800メートルほど歩くと、川西市に入り、基地の裏側に回りました。通常は駐車場にしている場所に、野外テントがびっしり張り巡らせていました。外部から進入しないように針金も張られていました。11月は、自衛隊の1年の締めくくりの演習が行われているのではないのかという意見が参加者の中から出されました。これで中部総監部の周辺観察のフィールドワークを終了しました。
 昼食終了後、有志で、伊丹市千僧(せんぞ)の陸上自衛隊第三師団周辺をフィールドワークしました。基地内にイラクで使用された8輪装甲車が2台見えました。グラウンドにびっしりと軍用車両が駐車していました。総監部から持って来たものだと思われました。

 



南スーダンPKO最新状況
 11月18日南スーダンPKO第9次隊に、陸上自衛隊第十師団(東海・北陸などを管轄)を中心とする350人隊員が編成された。この第9次隊には、鯖江駐屯地(福井県鯖江市)7人、金沢駐屯地(金沢市)4人、第三師団司令下の今津駐屯地(滋賀県高島市 饗庭野演習場の近く)の第10戦車大隊の3人も入っている。(11月22日〜12月16日にかけて出発、首都ジュバで約6カ月間活動)この目的は、道路修繕などを担うとされているが、戦争法の来年3月末施行を見越した準備をしようとしている。道路修繕なら普通は歩兵なのに、わざわざ戦車大隊の隊員を参加させているところに、「駆けつけ警護」のための装甲車使用の準備の意図が現れている。こんなことは許されない。

伊丹自衛隊基地周辺フィールドワーク感想
 長年近くに住んでいながら、これまで伊丹の自衛隊基地を訪問したことはありませんでした。伊丹までは大阪から10分ちょっと。これほど都心に近いところに大規模な軍事基地があるというのは、かなりの驚きです。
 基地の外から眺めるだけなので、その全容を知ることはとてもできませんでしたが、実際にイラクに派遣されたのと同型の車両を目の当たりにすると、ここも海外派兵の出撃拠点なのだということを感じました。
 今回、一番感じたのは、街の中での自衛隊の存在の大きさです。不動産屋には「自衛隊員歓迎」の張り紙があったり、議員の看板では「自衛隊出身」を強調していたり。やはり、地元の経済や生活は、がっちりと自衛隊に組み込まれているのだと思いました。

 


 実際に自衛隊の武器と制服を着た自衛隊員を間近に目にしたのは初めてでした。基地の中にずらりと並んでいる様々な車について、最初はどれが何に使われる車両なのか全くわかりませんでしたが、案内の方の詳しい説明で少しずつわかるようになってきました。装甲で覆われた車両を見て、それがいったいどんな状況で使用されるのかを想像するとぞっとしました。
 中部総監部という基地正面に戦車がずらりと並んでいて、周囲には住宅地があるという状況に違和感がありました。説明を聞きながら基地の周囲を歩きましたが、敷地が広く、多くの建物があり、裏手には訓練のテントが沢山設置してあり、兵器らしき車両なども沢山ありました。戦争法によって、自衛隊のPKO派遣は、こうした兵器を使い、殺し殺されるかもしれない任務に変わっていくんだと、実感しました。南スーダンへのPKO派遣に反対を訴えねばと思いました。経済的徴兵制が言われる今日、これは、自衛隊員だけの問題ではなく、だれもにでもふりかかる問題だと思います。