[報告]辺野古新基地建設を止めよう! ゆたかな海を守ろう!
沖縄現地の声を聞く11・24集会

 11月24日大阪で、沖縄・名護市から堀田ちえこさんを迎え、「辺野古新基地建設を止めよう! ゆたかな海を守ろう! 沖縄現地の声を聞く11・24集会」 が行われた。主催は「リブインピース☆9+25」で、約50名が参加した。
 堀田さんのお話は、「やんばるのいちむしライフ」というテーマ。「いちむし」とは沖縄の方言で「生きもの」という意味。名護のやんばるの森に集落の一員として暮らしていることから、このテーマにしたということだ。名護市はもともとばらばらの町や村で、合併して名護市になってもうすぐ50年。キャンプシュワブができたときはまだ名護市ではなく、現在ある弾薬庫の場所よりもっと広い範囲が接収されそうになり、当時の久志村長が苦渋の選択でキャンプシュワブを提供したという。
 堀田さんが住んでいる場所はほとんどが森、山の川が海に至るところで、買い物や飲みたいときはすべて、沖縄独特の共同売店ですませる。うっかり買い物に来ているおじいと飲んだりすると家に帰れないと、約30世帯の集落に溶け込んだ暮らしを語った。逆に集落の一員にならないと話もなかなかできないので、行事があれば積極的に参加している。自衛隊員の友だちとの話のネタになるかと山羊も飼ったりもした。アルバイトの他、泡盛の古酒、稲作、島バナナ、パパイヤを作ったり、織物、紅型をやったり、プラスチックフリーを目指し竹細工をしたりで、電気代2000円、水道代300円、ガス代3000円という生活。たくましい暮らしぶりがうかがえた。
 次にがらっと変わって沖縄の基地の話に。陸上の基地や米軍が占有する海域の地図はよく知られているが、空域についてはあまり知られていないということで、まずは空の話。米軍が使用している訓練空域「アルトラブ」が「臨時」で使うとされているのに使用が常態化していること。広い範囲の空域を米軍が使い、飛ぶところが決められている旅客機は、我慢を強いられ、事故が起こる危険性が高まっている。最近米軍機の墜落事故が起きた南大東島の近くには、名護の漁協の人もセイイカの漁に行くことがあり、事故に遭遇しなかったのはたまたま。事故の連絡も遅い上に、落ちたという事実だけの報告で済ませられる。
 面積では日本全体の0・6%にすぎない沖縄に、いまだに70%米軍基地。空域だって、海域だって米軍の好きなようにできる場所になっている。このことに対して日本政府は何もできないのか? 日本全体が要塞化されようとしているのを、一体どうやって止めるのか? 内地の人たちは自分の問題として受けとめてほしい。大阪に着いて、きらびやかな都会の生活と地元の生活のあまりの落差に、改めて驚いた。価値観や習慣を変えないといけないのでは?という疑問が投げかけられた。この問いに対して返答できないもどかしさを感じた。
 そして選挙について。2018年、沖縄は選挙イヤーだった。2月4日の名護市長選では、若者たちが宣伝カーで自らマイクを持って、「俺はこのおじさんが好きなんだ」と言って稲嶺進さんを応援。しかし結果は落選。非の打ち所がない市長を落としてしまったその苦しい経験は、今回の玉城デニーさんの知事選を勝つことに生かされたと思う。辺野古のゲート前には行ったことがない若いシングルマザーたちが、翁長さんの死にショックを受けてしのぶ会を自主的にやったり、若者が先頭に立ってデニーさんの紹介パンフレットを作って配ったり、那覇のライブハウスでの「デニーナイト」というイベントにデニーさんを呼び質疑をしたりと、歌って踊ってデニーさんを応援。色んなルーツの人たちが集まって当選を勝ち取ったのだった。

戦争法を具体化する日米共同演習
 休憩をはさんで歌のコーナー。三線(さんしん)の伴奏付きで沖縄の民謡『安里屋(あさどや)ユンタ』、今まさに現地で歌われている闘いの歌『沖縄 いまこそ立ち上がろう』の他、昔懐かしい『なんでだろう』の替え歌を歌った。
 後半は、「変貌する自衛隊の共同演習」の報告。日本の自衛隊がフィリピンに水陸両用装甲車を持って行って「対テロ」合同訓練をしたが、その装甲車は米軍の軍艦に載せて運んだ。西日本で一番大きな自衛隊の「日本原演習場」に、米軍だけが来て演習をするなど、自衛隊の施設が米軍に「自由に使ってください」と提供されている。その他にも、中国に圧力をかけようと様々な共同演習に日本が参加している。2015年に戦争法で法的な枠組みを作った上で、それをガイドラインが具体化する段階に入っている。そのことをもっと騒いで問題にしないとていけない、と提案された。

2018年12月10日
リブ・イン・ピース☆9+25