安倍首相は、稲田発言が選挙違反かどうかを明らかにせよ!
稲田防衛大臣を直ちに罷免せよ

  
 6月27日に稲田防衛大臣は東京都板橋区内で行った都議選の自民党公認候補の応援演説で「自衛隊・防衛省とも連携のある候補だ。ぜひ2期目の当選、本当に大変だから、お願いしたい。防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と演説した。7時間後に稲田氏は「誤解を招きかねず、撤回したい」と発言を撤回したが、選挙違反行為を謝罪していない。辞任要求を拒否し大臣を続けるつもりである。安倍首相も、菅官房長官も野党からの罷免要求を拒否して、稲田氏の罷免を拒否した。安倍首相は28日に「お詫び」をして火消しに回ったが、何を詫びているかがわからない。稲田発言に全く言及してない。お詫びのふりをしているだけである。安倍首相は、任命責任者として、稲田防衛大臣を罷免すべきだ。

 稲田発言は撤回して済むような問題ではない。選挙運動のただ中で行われたこの発言そのものが法律に明らかに違反する。「防衛省・自衛隊、防衛大臣としてお願いしたい」は、「防衛大臣として特定の自民党候補への支持を訴える」もので、誰が見ても「公務員が地位を利用して選挙運動をしてはならない」と定める公職選挙法に明らかに反する。また、自衛隊法61条は「政治的目的のために政治的行為をしてはならない」と自衛隊の政治活動を、国家公務員法102条は防衛省職員の政治活動を厳しく制限している。憲法15条は「全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」としていることにも明らかに反している。防衛省、自衛隊は政治的中立を維持しなければならず、自民党候補の支持を訴えるなど許されない、あってはならない行為である。

 今回の稲田発言は、防衛大臣による明確な選挙違反である。これまでの失言とも違う。選挙活動の中で、憲法、公選法、国家公務員法、自衛隊法に違反した事実は厳然として残る。選挙違反行為を撤回して済むなら、選挙民への贈答品も、相手陣営のポスターはがしも、「返品したら」「貼り直したら」すべて罪は帳消しになってしまう。選挙違反もやりたい放題だろう。「お友達」の防衛大臣ならば選挙違反も許されるのか。安倍首相は、稲田氏に発言撤回を指示したとされるが、肝心の発言そのものについては何も言っていない。
 安倍首相は稲田発言が選挙違反行為なのかどうかを答えるべきだ。

 稲田発言は選挙違反、政治的中立逸脱にとどまらない。稲田氏は“テロ対策などで、防衛省、自衛隊と東京都が連携し、練馬区の自衛隊の師団が活躍できるように、「地元の皆様」の協力、都の国との連携が重要”などとし、そのために「防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてお願いしたい”と発言している。
 稲田氏は発言の中で、防衛省や自衛隊があたかも自分のもの、勝手に代表して好きなように話してもいいかのように語っている。これこそ私物化意識の極致、安倍政権の権力者意識丸出しの行為であり、その感覚は責任を否定する安倍首相とも共通している。
ここから見えるのは、国家権力の私物化意識のもと、自衛隊の実戦部隊、防衛省と防衛大臣、東京都、地域住民、そしての日本政府と安倍一強支配の自民党の一体化した軍事国家、「対テロ」国家、警察国家の恐ろしい姿だ。

 軍隊の政治的中立は、天皇制軍国主義の下で天皇と一部の軍部、官僚、政治家が暴走し、侵略戦争を一層拡大させたことへの反省として、民主主義防衛の防波堤、制度的制約として組み込まれたものだ。自衛官達に自衛隊・防衛庁が自民党支持を呼びかけたかのように公然と発言したこと自体が、防衛大臣として資質が全くないと言わざるをえない。稲田氏は大臣就任以来この1年間で、防衛省内部で「PKO日報隠し」を起こし、日報に書いてある戦闘を勝手に「武力衝突」と言い換えて国会で追及され、森友学園訴訟代理人であったのに虚偽の証言をして謝罪させられ、教育勅語の精神を取り戻すべしと戦前の教育勅語を肯定するとんでもない発言を行う等、大臣どころか議員としても全く資質がないことが何度も証明された。ただ、極右的思想で安倍首相に共通するが為に何度も辞任を求めらながら安倍首相に守られ居座ってきた。今回もこれだけ重大な問題、本質で違法な発言を行ったにもかかわらず、安倍は罷免を拒否し、お友達優遇を続けることを鮮明にした。驚くほかない。

 野党各党は稲田防衛大臣の即時罷免を要求するとともに、臨時国会を開いて首相の任命責任や加計学園問題を徹底議論するよう要求している。これ以上あいまいにして逃げ回ることは許されない。
 安倍首相は、自らの任命責任を明らかにし、稲田防衛大臣を罷免せよ。稲田問題、加計学園問題はじめ安倍疑惑を明らかにするための臨時国会を開け。

2017年6月29日
リブ・イン・ピース☆9+25

抗議先
 *安倍首相官邸
   TEL 03-3581-0101 FAX 03-3581-3883 メール
 *防衛省
   TEL 03-5366-3111 FAX 03-5269-3270 メール
 *稲田朋美防衛大臣
   TEL 03-3508-7035 FAX 03-3508-3835