自民党・杉田水脈議員は、性暴力被害者への発言を謝罪し、撤回し、辞職せよ

 性暴力被害者や支援団体は、「同意なしの性行為は犯罪だ」として旧態依然たる女性差別の刑法を改正しようと立ち上がっています。まさにその時に、杉田水脈・自民党衆議院議員は、「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言しました。これは性暴力被害者を侮蔑し、愚弄し、運動に敵対するものです。私たちは、杉田議員の発言に断固抗議し、謝罪と撤回を求めます。議員辞職を強く要求します。
 杉田議員の差別発言は今回が初めてではありません。2年前には月刊誌『新潮45』で、LGBTは「生産性がない」と発言、LGBT差別を公然と行いました。これに対して、LGBTの子どもを持つ親が呼びかけて、杉田議員に謝罪と差別をなくすための法整備を求める署名約2万7千筆を自民党本部に提出しました。自民党本部前では約5000人が抗議の声を上げました。この時も、自民党は杉田議員に対して「注意」で済ませたのです。

 杉田議員の今回の「女性はいくらでもうそをつけますから」発言は、一般的な話の中で出たものではありません。9月25日の自民党内会議で来年度要求予算を議論していた時に出されたものです。「男女共同参画の要求額が今年度の2倍となっており、その中で『女性に対する暴力対策』への比率が高かったことを受け」、「民間委託」(民間の被害者相談所)を増やすのではなく、「警察の中に相談所を作り、女性警察官を配置」し、女性への性暴力に警察が積極的に関与するよう求めたのです。「女性はいくらでもうそをつけますから」、つまり虚偽申告するので警察が取り調べをすべきだと言うのです。性暴力被害者や運動団体が「これは性暴力被害者を貶めるセカンドレイプであり、激しく性差別的であり、性暴力根絶に向けて取り組む動きを後退させかねないヘイトスピーチです」と非難したのは当然です。
 図らずも、杉田差別発言によって、政府・警察権力と自民党が、性暴力を治安問題、防犯問題にねじ曲げ、それに解消し、警察権力の権益拡大に結び付けようと動いていることが明らかになりました。私たちは、この動きにも反対します。

 性暴力に反対する被害者や運動団体は、即刻フラワーデモで抗議行動を行いました。発言の翌9月26日には緊急オンライン集会を開き、「自民党・杉田水脈衆議院議員の性暴力被害者への発言撤回、謝罪、辞職を求めます」の抗議文に賛同する署名行動を提起しました。賛同署名は10月12日現在、13万6千筆以上が集まっています。しかし、その署名を自民党に提出しようとしたところ、10月8日、野田聖子幹事長代行から自民党として「受け取り致しかねる」と拒否を通告しました。「杉田議員はすでに謝罪しており出処進退は議員個人が判断すべき」というのが理由です。しかし、「謝罪」したと言いますが、自民党執行部への言い訳に過ぎず、謝罪ではありません。結局、杉田議員は発言の撤回・謝罪を行わず、自民党自体も杉田議員の発言を容認し、賛同しているのです。
 性暴力被害者や性暴力反対運動と連帯しよう。杉田議員の謝罪・発言撤回・議員辞職を求める署名運動をさらに広げよう。LGBTなど性的マイノリティへの、女性への差別・蔑視・性暴力のない社会を目指す運動に参加していこう。

2020年10月12日
リブ・イン・ピース☆9+25

※杉田水脈の発言撤回、辞職を求める署名は以下ですることができる。
 「女性はいくらでもうそをつけますから」自民党・杉田水脈衆議院議員の性暴力被害者への発言撤回、謝罪、辞職を求めます。