オバマ政権のもとでのイラク戦争開戦6周年――
米国の反戦運動と人民救済運動の新たな動き(下)


4/4 ウォール・ストリートへのデモ
(UFPJより)
 4月4日、反戦センターUFPJが呼びかけたウォール・ストリートへのデモには1万人が結集した。米国金融の、そして国際金融の中心地であり、金融恐慌の震源地であるウォール・ストリートで、銀行救済反対と人民救済、雇用や医療・教育予算の要求、イラク・アフガンからの米軍の即時撤退、軍事費削減などの反戦要求が掲げられた。この闘いでも、帰還兵や兵士家族が重要な役割を果たしたことが報じられている。
10,000 March on Wall Street(UFPJ)

 これに先立つ4月2日のロンドン金融サミット=G20を大規模なデモが包囲した。3月28日には、4万人の労働者・市民がロンドンに結集し街頭デモに繰り出した。4月1日には、中央イングランド銀行と金融資本を標的にしたデモが呼びかけられ、約1万5千人の労働者・市民がシティに結集した。さらに2日には反戦連合やCND(核廃絶キャンペーン)などの反戦団体が主催するデモが行われた。これらに対して、イギリス政府は常軌を逸した弾圧を加えた。



3/28 ロンドン G20包囲の大行動
(Indymedia UKより)
対話なき「金融バカの日」の悲劇 G20サミット、銀行救済反対デモの現場から(日経ビジネス)
March 28th: 40,000 on Put People First March(Indymedia UK)
Indymedia G20 Reporting(Indymedia UK)
G20 policing caused man's death: police coverup and media lies(Indymedia UK)

 G20反対の大衆行動は、ドイツ(ベルリン、フランクフルト)、フランス(パリ)、イタリア(ローマ)、ベルギー、スペイン、オランダ、ノルウェーなど欧州各地で、さらに米国、インド、パキスタン、ブラジルなどでも闘われた。4月3、4日には、フランスとドイツを中心に欧州各地で、NATO首脳会議に対する様々な抗議行動が行わている。

 米国で4月4日の行動を組織したUFPJは、「Beyond War, A New Economy Is Possible: Yes We Can!」という、戦争から抜けだし新たな経済を作るというキャンペーンを続けており、目下、オバマのアフガン戦略に反対する全米行動を呼びかけている。また、4月11日に、全米50以上の都市で、政府の金融危機対策に抗議するデモが予定されている。詳細はまだ明らかになっていないが、AIGやバンクオブアメリカ、FRBなどにデモを仕かけ取り囲むという抗議行動が展開される予定である。
A New Way Forward: Protests Scheduled Across the Country Calling on Banks to Nationalize, Reorganize, Decentralize(Democracynow)

 イラク戦争開戦6周年の3月21日行動から、ロンドンでのG20反対行動、そして4月3日、4日のウォール・ストリートへのデモンストレーションを経て、戦争反対、金融資本と銀行救済反対、人民救済、反資本主義を掲げた闘いは、さらに拡大しようとしている。


[翻訳]ウォール・ストリートを1万人がデモ
10,000 March on Wall Street
http://www.unitedforpeace.org/article.php?id=4048

 この土曜日の4月4日、キング牧師と彼の洞察力のある1967年の「ベトナムを越えて」の演説を記念して、1万の人々が、イラクとアフガニスタンでの戦争に抗議し、社会のニーズへのより大きな投資を要求し、ウォール・ストリートをデモ行進した。労働者、退役軍人、学生、移民の権利擁護団体、兵士の家族、宗教的社会奉仕活動をする人々、女性団体、地域の団体がわれわれに合流し、活発な響き渡るデモを行った。
 われわれ全ての指導者であり、キング牧師の協力者でもあったジェームズ・ローソン師もまた、われわれに加わった。彼はデモの出発の前に、次のように参加者たちに語った。「キング牧師と50年代、60年代の平等と正義を求める運動の精神において、平和を花開かせたいなら、われわれは米国の貧困、人種差別、女性差別、暴力、貪欲を根絶しなければならない。平和は平和を叫ぶことによってやって来ることはできない。平和は正義が行われる時に現れ始めることができるだけである。」
 ローソン師はまた、9千万人の働くアメリカ人が毎日「貧困の中をさまよっている」事実を悲しんだ。「経済への刺激の最大の弾みは、その9千万人が彼ら自身と彼らの家族を養える賃金を受け取ることである。この種の刺激よりも爆発的なものは何もないであろう。」
 ローソン師は、IVAW(Iraq Veterans Against the War「戦争に反対するイラク帰還兵の会」)の指導者ペリー・オブライエン、リバーサイド教会のブラッド・ブラクストン師、FOR(Fellowship of Reconciliation「友和会」)の“青年・軍国主義化”の組織者であるシャウエン・ピアースと共に、戦争と経済を結び付けるUFPJの継続中のキャンペーンの「戦争を超えて、新しい経済は可能だ」の横断幕を持って、デモを先導した。その横断幕の後には、「イラクとアフガニスタンでの戦争をやめろ!」の横断幕を持った、退役軍人と兵士家族が続いた。
 1万人のデモは、FRBのビルを通り過ぎ、ニューヨーク証券取引所を取り囲み、平和と正義のフェアが開かれるバッテリー公園で終結した。強風と寒さの条件にもかかわらず、デモ参加者たちはその後の2時間、30団体以上のメンバーと話し合い、平和と正義のための仕事を継続する方法について調整を行った。(翻訳W)

2009年4月11日
リブ・イン・ピース☆9+25