シリーズ『冬の兵士――良心の告発』を観る(その5)
「人間は撃ちつくしたから、犬や猫や鶏など動くものは何でも撃った。」
「我々に食料を持ってきた女性を粉々にしたのです。」
「母親、父親、子供二人を殺し、男の子は4才、女の子は3才でした。」

 第一章は「戦闘モラルの崩壊」と題され、交戦規定を無視して行われる無差別殺りくが主な内容です。すさまじい、またつらい証言が続きます。ここでは、第一章を中心に重要な証言を紹介します。田保さんは3/22の講演で、私たちも紹介したNHK「戦場 心の傷」にふれ、番組はPTSDを問題にしているが、交戦規定が守られているかのような描き方がされている、それでは決定的に不十分だと指摘しました。戦闘中に交戦規定がめまぐるしく変わることは、一体誰が敵で、誰と闘っているのかを分からなくし、米兵の人間性を破壊していく大きな要因の一つではないかと考えられます。是非「良心の告発」を聞いてください。

アダム・コケシュ「ファルージャを包囲したとき、交戦規定は下着を変えるよりも頻繁に変わった、最初は、交戦規定を守ることを求められたが、怪しいものは射殺することになる。双眼鏡や携帯電話をもつもの、ついには誰でも攻撃対象となった、現地に着いてから数日たってある事件が起きた。
 検問所で銃撃行動があった、最初の写真をお願いします、これは検問所に近づいた車です、怪しい車が高速で来たといわれ、大口径の機関銃で撃ちまくった。減速しないものはすべて敵の戦闘員だとみなした、銃弾はバンパーからエンジンを破壊、このイラク人の胸を撃ちぬき座席まで破壊した。車のそばで撮影した私の記念写真です、居合わせた海兵隊員全員が、かわるがわる写真を撮ったのです」
(3/22の講演で、IED(即席爆発装置)は、2003年には導火線を伝って爆破させる形態が主流だったが、2004年になると、携帯電話で遠隔操作をして爆破させる形態にかわったと説明しました。したがって、携帯電話を持つ者はすべて、IEDを起爆させる「テロリスト」とみなされるようのになったのです。)

ジェイソン・ウオッシュバーンある女性が通りかかり、大きな袋を持っていた、こちらに向かってくるように見えたので、私たちは、MK19銃をぶっ放した、粉塵が収まると、その袋には食料品がいっぱい詰まっていただけだと分った、我々に食料を持ってきた女性を粉々にしたのです。」

カミロ・メヒア息子と車にいた父親の首を機関銃で打ち落としました、首の無い死体のそばに人が立っていたが、その表情やどんな人だったかが思い出せません」


J・ウエイン・レミュー無差別射撃をした兵士は、司令官が野菜を担いで歩いていた老婦人を射殺したのを見たことがありました、彼はその女を撃てと命じられたが断ったので、司令官が撃った、危険の無い車を彼が撃ったのは、司令官にお手本にしただけでした

マイク・ロビンソン「イラク人が畑を見ながら歩いているのを発見した、50才くらいの男で、背中に機関銃を背負っていた、彼は草むらに何かを感じ、我々の物音が聞こえたのだろう、銃に手を伸ばした、怖かったのだろう、交戦命令が下り、私は彼に向かって5発撃った、他の部隊も銃撃、彼は虫の息で、トラックに乗せると亡くなった、彼は怖がっただけで悪いことはしなかった、私だって犯罪を犯したわけではない、彼は撃とうとしたし、私は命令された、このことで苦しんでいる、普通の市民を殺したのだから

マイク・ロビンソン「心的外傷後ストレス障害はとても辛い、怒りの発作、うつ病、自殺を繰り返す、治療はほとんど不可能だ」

ジェイソン・ウオッシュバーン「兵士を募集する時、大学奨学金が貰える、職業訓練になり、各種給付金もある、家が持てて友人ができると言うが、イラク市民を虐待し、ひどく傷つけるという事実は言わない、現実には足を負傷する場合もあり、ホームレスになる人までがいる」

ジェフ・ミラード「スピードを出して来る車があり、機関銃手が脅威と判断し、50口径の銃弾を200発撃ちました、母親、父親、子供二人を殺し、男の子は4才、女の子は3才でした。夕方、将軍に対する報告会で、担当官がこの件を説明しました、その時、司令官のロシェル大佐が、部下の方を向いて、ハッジの馬鹿が運転を知っていたら、こんなクソみたいなことは起きなかった、と言った、周りは将校や下士官たちばかりで、私が一番下の階級でした、」

マイケル・リュデューク「海兵隊の諸君 武器を持つ人間がいたらどうしますか?誰かが声を上げた。銃を撃つ?違う、発砲し威圧することと射殺することは別だ。もう一度質問する。武器を持つ人間を見たら?殺す。双眼鏡を持つ人は?殺す。携帯電話を持つ人は?殺す。何も持たず、敵対行為が無くても、走っている人、逃げる人は何か画策しているとみなし、殺せ。白旗を掲げ命令に従ったとしても、罠とみなし殺せ。」
 「ファルージャで僕たちは、その交戦規定に従い最初の三日間特に激しい戦闘が続いた。ブルドーザーと戦車を使って家屋を一つ一つひき潰し、瓦礫の上を歩いた。戦闘が始まって数日後に町は静かになった。僕たちは家屋の中に隠れた。数時間から一日二日も隠れたので退屈し癇癪を起こし、やっちまおうぜと、人間は撃ちつくしたから、犬や猫や鶏など動くものは何でも撃った。道に放置されている死体に名前をつけている隊員がいた。腐乱のランディ、胴体トニー、道に横たわる死体の頭を標的に銃の照準を調整する隊員もいた。狙いをつけて撃ち、左にそれるなら照準を調整してまた撃った。
街の下水システムが爆弾で破壊され下水が道路にあふれ出ていた。その下水に死体がいっぱい溜まり、恐ろしい光景だった。前日何人かを射殺し、残りの人たちを拘束していた。その中に夫を殺された女性がいて、彼女の叔父か父親は目が見えなかった。僕たちは二人を家まで送り返すことになったが、二人は遅れてついてきて足手まといだった。途中まで来たところで二人を下水が溢れた道に置き去りにした。」

マイク・ロビンソン「バラド基地の正面入り口で警備をしていた時です、幼い少女が門に向かって歩いてきた、7歳の少女です、通訳が、止まれ、とイラクの言葉でいった、少女は止まらない、どうしたら良いのか?「止まれ」と言って止まらない子供は、射殺するしかないのでしょうか?命令が下り、彼らは7歳の少女を射殺した、調べると彼女の胸に爆弾がつけられていて、服で隠されていた。お父さんが娘に自殺攻撃をさせた。5人の兵隊がそこにいた。お父さんが娘の命よりも米兵の死を望んだ…。射殺してしまった…。」

2009年3月24日
リブ・イン・ピース☆9+25

シリーズ『冬の兵士――良心の告発』を観る

『冬の兵士――良心の告発』シナリオ