[報告]第1回キューバ友好連帯集会(5月23日)に参加して
キューバ革命勝利50周年・日本キューバ外交関係樹立80周年記念

 第1回キューバ友好連帯集会が5月23日(土)、東京のニカラグア文化センターで行われました。キューバ革命勝利50周年・日本キューバ外交関係樹立80周年を記念してのものです。キューバに訪れたことのある人や、キューバに関連した活動をしている人などを招待しての催しでした。私たちも、今年3月にキューバを訪問した関係から連絡をいただき、参加させて頂きました。参加者は100名を越え、皆でキューバの魅力を共有するものとなりました。そして集会全体は、米の経済制裁に対する批判や5人のキューバ人の解放を求める取り組みの呼びかけ、国際連帯のあり方について真正面から問題にするなど、とても引き締まったものとなり、改めてキューバ連帯の意味を考えるきっかけとなりました。集会では、ピースボートや空手、音楽関連などの発言もあり、とても有意義だったのですが、ここでは、5人のキューバ人の解放に向けた取り組みの提案やハリケーン被害でのカンパ活動など連帯活動に限って発言を掲載します。
第1回キューバ友好連帯集会の写真速報(キューバを知る会・大阪)

 とりわけ5人のキューバ人が不当に逮捕・拘束されて11年目となる9月12日から10月6日まで「5人の解放を求める世界月間」が提起されており、私達も是非この活動に加わりたいと思います。
※5人の解放を求める世界月間については、以下を参照。(キューバを知る会・大阪)
 アメリカにとらわれている5人のキューバ人に自由を!
 弁護団は新たな司法闘争を準備している!!

2009年8月10日
キューバを知る会・大阪 T.N

■司会のキューバ大使館政務担当のアンドレス参事官の発言
 友人のみなさん、キューバ大使、ICAP(キューバ諸国民友好協会)アリシエ・コレデラさん。今回は、はるばるキューバから来てくれたアリシア・コレデラさんに心から歓迎の意を表します。彼女は長いこと日本との関係で彼女と会ったことがあるという方もこの中にいらっしゃると思います。キューバ友好協会の独立の時もいくつも参加しているという方です。ICAPの副総裁をされています。

■アレイダ・ゲバラさんの連帯のメッセージ
 連帯という美しい課題の実行に何が一番よい方法か、をともに探るためにお集まりになると聞いております。
 現代世界が未曾有の、重大な経済危機から脅威を受け、未来を不確実なものにしている中、時代は矛盾と恐怖に満ちています。この時点にあって、自らをよりよい人間にするという理想をみなさまが堅固に持ち続けていらっしゃるのだと思います。
 地理的に遠く、文化的に異なっているにもかかわらず、私たちは引きつづき団結しています。それは共通の理想、全ての人にとってより正義な世界、テロのない世界を追求しているからです。そのような世界とは疑いなく、人間が連帯的であり、情愛に満ち、強く、子どもたちの笑顔が将来を保証しているような世界です。
 みなさまの労働、忍耐、粘り強さをいっしょに合わせ、一国民のようになってそのような世界を実現させていきましょう。
ありがとう、本当にありがとう、前進しましょう。
 強い抱擁を持って。

アレイダ・ゲバラ・マルチ
09年4月

■キューバ大使の挨拶
 IKAP副総裁・アリシア・コレデラさん、連帯する友好組織・個人の友人のみなさん
 私は今日キューバとの友好と連帯を進めておられるICAPや団体の皆様と友好と連帯の集会に参加できて大変光栄ですし、うれしく思います。我が国、国民の大義を深く理解し、一体化してくれる組織や個人に友好の方々を前にすると今日ここにいる私たち皆の気分が高揚します。この連帯の集まりはキューバ革命を砕くため歴代のアメリカ政権の攻撃に対し、50年にわたる鉄の抵抗を続けてきた我々にとって非常に大きな励ましです。遠く離れた小国である我が国に期待する皆さんの政治的・道義的連帯友好に深く感謝します。両国民を近づける具体的なかたちであると思います。
 今年はキューバ革命50周年、両国外交関係80周年にあたります。この集会の意義はそれだけ大きいものになります。今日はここにICAP・キューバ諸国民友好協会の副総裁のアリシア・コレデラさんが参加していてくれることを大変うれしく思います。彼女は今後日本での友好連帯運動の様々な活動についていつも心を込めてフォローしています。今回このような重要な集会に参加するためにわざわざ日本まで来てくれました。
 キューバとの国際連帯の行動は2つのテーマを巡って中心的に行われてきました。
 1つは歴代のアメリカ政権による不法で犯罪的な厳しい経済貿易金融封鎖です。その問題は引き続き最大限の多様な方法で糾弾し告発し続けなければなりません。というのは現在までこの封鎖はすべての構成部分で時に適材適用の影響の面で何ら変わらず支持されているからです。
 もう一つは5人の対する正義の要求です。彼らは10年も前からアメリカの監獄に投獄されたままです。それは裁判が政治的に操作され囚人保護と囚人の人権を最も基本的な原則さえ踏みにじられている結果です。根拠のない容疑により偏見に満ちた制約された法廷の犠牲となった5人の青年の人権と法的権利はこの集会の最も活発で決意にみちた権威に値するものと思います。
 キューバの国民と政府の代表として私はここに出席されている皆さんから長年にわたってあるいは最近からの方もおられる思いますが様々な形で精神的に政治的に人道的にあるいは経済的な様々な形でキューバを支援していただいていることに心から感謝したいと思います。そして今日の討議の結果として我々を結びつける友好連帯を表す新たな行動が何であるかが明確になり、それが優先課題として取り組まれるであろうと確信します。今日を契機に友好と連帯がさらに強固なものになるであろうと確信します。
 以上により我々が自由に民主的に選んだ経済政治社会モデルを建設する権利を守る闘いを理解しそれと一体化してくれるすべての人びとにこの会議との連帯の輪を広げる活動を深めていただくことを改めて訴えるものです。私たちのめざす一番の目的はすべての人にすべての正義を保証することです。どうもありがとう。

■ICAP(キューバ諸国民友好協会)のアリシア・コレデアさんのスピーチ

キューバに甚大な被害を与え続けている米の経済制裁
 敬愛する駐日大使殿、参事官殿、キューバ人と日本人の友人の皆様。私は今日日本の様々な友好連帯の組織の指導者の方々、メンバーの方々とこうしてお会いすることを大変光栄に思い、うれしく思います。そして皆さんには革命50年間、キューバとの連帯の形を示すために様々な活動、努力をして頂いたことにICAPキューバ諸国民友好協会を代表して心からお礼を申し上げたいと思います。
 様々な形でみなさまに努力をして頂いておりますが、心から生まれているものだと思います。献身的に平等を目指していることから、不当にも課せられている経済封鎖、これに反対する活動あるいはアメリカに不当にさらわれているキューバの5人の青年を、あるいはキューバの現実を正しく日本の方々に広く広めて頂くという活動で努力を重ねています。
 みなさんの活動というのは世界の国際連帯の主役の役割も果たしていると思います。そして、国際連帯というのはキューバでも最も必要としているものです。去年2008年というのはブッシュ政権最後の年でした。キューバ革命をつぶすためにありとあらゆる攻撃を仕掛けてきました。
 そのために以前から大量に予算を割いてきたキューバ国内の反対勢力の支援活動というのにさらに予算をプラスして強化しました。キューバと取引をする第3国の企業に対する制裁も強めてキューバへの包囲網を強化してきました。しかし、彼らの政策は全く失敗しています。去年の10月29日の国連総会では185カ国がキューバへの経済封鎖撤廃への決議に賛成しています。
 この犯罪的なアメリカのキューバへの経済封鎖は、1960年から累計で膨大な被害をキューバに与えているのです。930億ドルにも上ります。それでもキューバ国民は抵抗を続けてきています。それこそが世界に示すべき、世界から認められているキューバの力です。

ハリケーン被害カンパへの感謝
 去年2008年は気候の上でも大変厳しい年となりました。何回も大型のハリケーンがキューバを襲いたくさんの物的な経済的な被害がありました。全体で100億ドルの被害と言われています。
 私たちは連帯の手を各国に広めてきました。この勲章としてハリケーンの被害を受けた際には、今たくさんの国々からたくさんの人びとからグループから連帯の支援を受けています。色んな形で、カンパ、あるいはお見舞のメッセージなどもいただきました。たくさんの国々から色んな組織、個人から受けて来ました。そのなかの重要な位置をしめているのは日本からのカンパ・お見舞のメッセージです。組織の方々や個人の方々から、たくさんいただいていました。連帯の表明としてハリケーンで犠牲になったキューバの国民が心から感謝して励まされているものです。

キューバ連帯活動の拡大
 2008年にはキューバ連帯の組織活動の上でも大きく数が増えました。現在世界各国にキューバとの友好連帯の協会・グループは149カ国に272存在しています。キューバへの連帯運動へのこの間大きく成功しているとこの数字は表しています。同じようにキューバで成功しているものがあります。人的資源です。人的資源もキューバではどんどん開発され、成功しています。その一部は、たくさんの国々に医療あるいは教育あるいはスポーツで、キューバ人が出かけていって援助を行っています。私たちを必要とする人々はたくさんいます。そして、現在キューバでは、世界123カ国から、留学生を31807人受け入れています。それは第3世界の小さな国としてはこれは誇るべき数字だと思います。

5人のキューバ人を救う活動を友好連帯活動に
 ここで5人のキューバ人、すでに10年間もアメリカに投獄されたままになっている問題に触れたいと思います。彼らは罪を実際に犯していない、何ら彼らの罪を証明する書類一つものは出てこない、そういう経過があるにもかかわらず、10年間も投獄されたままです。
 この事実を多く広めていくことが重要です。最近ではアミカスキュリエの活動で、日本では54人の弁護士の方々がこの意見書に賛同してくださいました。矢田部理先生のすばらしい活動をしていただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 5人のキューバ青年を解放する闘いというのはキューバでも友好連帯の活動の一部になるべきだと、そしてまたキューバに対する不当な経済封鎖が一日も早く終わるよう、この闘いと一緒に進めて行ってほしいと思います。

若い人たちに参加をよびかける
 日本の人々の色んな間の調整・色んな友好グループの間の調整のレベルというのはどんどん緊密化し高くなってほしいと思います。キューバの現実を正しく広く普及する手だての活動も是非これからも続けてほしいと思います。というのは大メディアにあって往々にしてゆがめられて伝えられることが多くあり、それに対抗する手段としてみなさんから真実を伝えて頂きたいと思います。
 この機会に若い人にこれからも輪を広げていって頂きたいという点です。日本友好協会に連帯し、友好運動のグループに若い人びとに参加してもらうこの運動の継続を保証することになると思いますので。国際ブリガーダーの運動にも輪を広げて頂きたいと思います。それから社会的・政治的な目的を持ったツアーのそれにも多くの方々に参加してもらうように働きかけをお願いしたいと思います。そして今日みたいなこの会を2年に1度ぐらい開いていくと言うことは友好連帯運動を前進させるのに役に立てると思います。
 友人のみなさんからの連帯活動に心から今一度感謝したいと思います。私たちキューバではみんなの平等、社会正義、よりよい未来を求めて、原則を堅持しながら頑張っています。そして、私たちのICAP諸国民友好協会の世界の皆さんとの連帯を、キューバの一番大きな砦としてこれからも頑張っていきたいと思います。そして、皆さんからいただいている信頼を決して裏切ることは私たちはいたしません。ICAPはこれからも友好・連帯の発展のために強く活動を重ねていく意志を持っています。そして、交流、皆さんとの間の友好連帯というのは、世界の友好連帯の一つのモデルになってほしいと思います。
 そしてこの機会に日本で活動しているキューバの大使館の人たち、外交官の人たち、献身的に努力をしてくれています。彼らの努力にも連帯したいと思います。またキューバの国民のメッセージを届けてくれているキューバ人の音楽家・アーチストの方たちにも感謝したいと思います。

■矢田部理さんのスピーチ
 キューバ革命50周年まことにおめでとうございます。お集まりの皆さんとともにアメリカの不当な経済制裁に対し、社会主義建設を着実に進めてこられたキューバの皆さんに心からのお祝いを申し上げたいと思います。今日は記念すべきこのときにキューバよりキューバ諸国民友好協会のアリシア・コルデアさんをお迎えしてキューバと日本の新たな連帯と友好と連帯の新たな一歩となりましたことを心からお喜びいたしたいと思います。
 日本とキューバとの長い連帯の歴史の中にでも画期的な日でもある、新しい連帯の歴史を築くスタートの日になるであろうと思っています。そういうなかで私がご挨拶をと言われましたのは、全体の政治情勢は問題ではなく、5人のキューバ人の救援のために立ち上がった日本の法律家たちの最近の活動について報告をしてほしいということです。
 今年の1月6日、尊敬するキューバ大使が日本の法律家の皆さんと一度直接話をしたいということで大使の公邸にお招きをいただきました。誰を選ぼうかと私もとまどったのではありますが、私が所属しています「日本民主法律家協会」「社会文化法律センター」「アジア人権セミナー」それらの代表的な人たちにも声をかけまして、大使の話を聞くことになりました。そのときの大使の話がキューバの5人の話でした。
 ご紹介がありましたように、1998年、10年以上前、キューバの若者5人がアメリカの司法当局の事実無根の嫌疑で逮捕されました。スパイ罪の共謀、殺人の行為を行った、などなど。いくつかの罪状を上げて、司法局は5人のキューバ人の逮捕・拘留に及んだ。170日間弁護人との接見もほとんど出来ない中で独房に放りこまれたままで、そして今日まで約10年間非常に厳しい刑―終身刑プラス終身刑プラス15年の刑。日本では考えられない刑を判決で行っています。10年間投獄されたままであります。これはなんでもひどすぎるという国際的な救援運動が起こっていました。残念ながら日本は遅れて、大使の話きっかけとなって、ようやく遅ればせながら立ち上がったというところです。
 ただ法律家ですから、お話だけでやるわけにはいきません。どうするか。何をいつどう行うかということで、少し議論がありました。大使の話は今年の1月6日。しかも1月30日までにアメリカの最高裁への意見書をまとめて出してくれと言うことでした。1ヶ月たらずの間にそういうことが出来るのであろうかと、心配したのでありますが、日本の法律家の質もだいぶ高くなっています。
 いろいろ声をかけた弁護士の中にはこの5人の若者たちの弁護をしている弁護士を知り合いの人がいました。早速アメリカの関係する弁護士と連絡をとって、弁護士は裁判を批判するわけでありますから、裁判条規に直接当たる必要があります。これを取り寄せるなどして短期間でこの裁判の意見書の原案をまとめる。そこでまとめたのは今日配布されているこの「Free the CubanFive 5人のキューバ人を救うために」、この文書であります。
 アメリカのどの法律に違反しているか、どこに問題があろうかと言うことが当然理論の焦点になりまして、米国憲法には「すべての諸国民は公正な裁判を受ける権利を有する。」「弁護陣の支援を求めることが出来る。」等々、アメリカの州政憲法には条項が書かれています。そのアメリカの憲法を基準にして、まずこれに違反してないか、同じ趣旨のものが国際人権規約にもかかれている、これに違反することは無いか、というようなことを検査した結果、すでに言われていることでもありますが、「被告人が公正な裁判、公正な陪審人の裁判を受けることが出来る」という規定であります。残念ながら公正な裁判を受ける場ではありませんでした。マイアミがその裁判所でした。マイアミはあとでも出てきますが、亡命キューバ人たちの、多くのたまり場になっている、キューバに対する異常な偏見を持ったところです。よってこの地域から選ばれる陪審員は公正な裁判は期待が出来ない。従ってアメリカの弁護士たちも裁判所を別の場所に移すべきだという主張を行いました。残念ながらそれは認められません。別の事件では、そういうところでは、公正な裁判が期待できないと言うことで、法廷を別の地域に移したときもある。それが認められませんでした。それから、弁護人との面会をして裁判を打ち合わせる機会を多く持たないといけないわけでありますが、これもなかなか接見が認められない。ずっと接見が認められないというのが経過であります。したがって弁護人を選任しその弁護人の弁護を受ける権利も損なわれてきたのが裁判の経過でした。これもアメリカの州政憲法、合衆国憲法州政第6条、14条、いくつかの条項があるのですがこれらに違反している。これと同じ規定が国際人権規約にもありますが、詳しくはこの中身を読んで頂ければと思います。もう一つ大きな問題は殺人の共謀、第1級殺人の共謀をしたということが1998年の刑の最大の根拠になっている。この犯罪が成り立つのかどうかということが疑問です。1996年頃に亡命キューバ人が盛んに民間航空機をチャーターし、キューバの上空に飛んできて、キューバ攻撃の宣伝をした。様々な嫌がらせをしてきた。キューバはこの人たちに対して再三にわたって警告を発したのであります。96年の2月、民間機をチャーターして再びキューバ上空に現れようとしたのであります。警告をしたのに退去をしない。キューバ空軍が出撃をしてそれを撃墜した。4人の乗員が亡くなるということになったわけですが、その民間航空機の飛来の情報を5人の若者たちがキューバに知らせた、これが殺人罪の共謀罪で問われることの内容でした。何が問題でどこがおかしいかといえばキューバ空軍の行動は、再々にわたる警告を無視した行動に対する、国権の発動としての軍事行動です。領空に侵犯したかしないかということは一つ問題がありますが、近くまで近寄ってきたのを撃墜したのであります。これ自身は自衛行動であります。従って戦争犯罪として問えるような中身ではありません。国家の主権の発動であり軍事行動で自衛手段であります。いずれも国際的な責任の立場を問うことが出来ません。本題はそうであります。キューバ空軍の出撃に関わって、どこまでが事実かどうかわかりませんが、民間航空機の飛来の情報をキューバに伝えた、それが殺人罪・共謀罪です。本来は責任をとることが出来ない。そこに情報を知らせたというだけで、共謀というのは成り立たないというのが、国際的な法律機関の常識であります。殺人罪の共謀は無罪というべきだと、これが主な内容です。後は少し読んで頂ければわかると思います。
 アメリカはしばしば他者や他国に対し人権を守れと要求している。自らはグアンタナモの収容所を見てもわかりますように、アメリカの司法は必ずしも人権を守る立場になっていない。
 今度の事件でも一点付け加えますが、人を裁くためには公正な法定手続きの保証ということが、裁判の原則になっている。これも守られていない。国家の安全に関する犯罪だという縛りを掛けて。被告側に有利な証拠をいっさい検事側がださない。証拠開示の拒否をしてきました。すでに10年を経過来ています。この事件はアメリカの最高裁判所に上告することになっています。このアメリカの最高裁判所に対して全世界的な規模で裁判の公正さを求めて無罪の被告人たちの釈放を求めて救援活動をしようというのが今度の動きの大きな流れであります。私たち日本の法律家もこの一翼を担うことになります。意見書をまとめて、数日間でまとめて、出来るだけ多くの、弁護士たちに声をかけるようにまとまったのであります。日本の進歩的な法律家団体はいくつかありますが、そのほとんどの法律家団体の中心的な人びと参加することになります。「日本民主法律家協会」「社会文化法律センター」「自由人権協会」「国際法律家協会」等々の代表かつ責任ある人たちがほとんど名を連ねたのが50何名であります。弁護士が集まったというだけでもすごいことですが、そうではなくてそれらの団体の中心的なメンバーがまとまって行動する。日本の弁護士の歴史の中でもそれだけの団体が一緒になって行動したのは初めてのケースではないかと私は思っております。そして最後に申し上げたいのは、アメリカは人に人権を叫ぶのではなくて自ら人権国家であるというのであれば、アメリカこそが人権を守る国だそういう自負をもっているということの範を示すべきだと。世界的に集まった最高裁に対しての意見書にたいし、4月のはじめには反論を出すことになっておりました。いまだにその反論が出てきていない。これからどうするかと言うことになれば、我々弁護士の集まりだけではなくて、すでに百人委員会も組織されているようで、運動の輪を大きく広げることだと思います。そして、オバマ政権は、このような不法な行為・裁判を即刻改め、公正な裁判、そして5人の若者たちの釈放を求めて頑張ってもらいたいと思います。以上私の報告を終わります。

■是永礼子さんのスピーチ
 キューバのハバナ現地で旅行の手配会社を開催しています。手配会社というのは日本の旅行会社と直接連絡を取りながら、キューバのいいところを日本の方々に紹介することだと思っています。キューバの観光・世界遺産が今9つもあるんですね。キューバの経済・生活・キューバの人の考え方というものに皆さんが非常に興味を持っていまして、一般の観光の方でも、キューバ人の家、教育、社会、医療、キューバの国際的な問題、5人のヒーローの方たちのこと、あるいは世界中の人たちとの連帯・助け合いのこと、それを世界中に広めていこうとしていること−−それらを見てみたいという関心があります。そのために、日本人だけではどうやってしたらいいかわからない。キューバの世界遺産を回って、キューバ料理を食べて帰って、ではつまらない。せっかくのキューバ。日本と全く違うキューバ。私はキューバの世界遺産はキューバ人のこころだと、人のこころだと思っているのですね。これは私がキューバ観光の仕事をしている元になっています。これをどのようにみなさんにお伝えするか、そこのところが、15年前からICAP―キューバ友好協会と連絡を取りながらやっていることです。キューバの医療制度(日本では考えられない制度)、農業、教育、そういったものを皆さんに少しでも見ていただきたくて、ICAPに手配をしていただいています。私どものほうは観光の部分の手配をしていて、ICAPの広報部で、医療・教育・農業・連帯のツアーを企画いたしております。そういうところを見ることによって初めてキューバの良さがわかり、魅せられていくのですね。この国のすごさというのは10年ぐらいおりまして、日に日に感じておりますのは、「自分ためではなく人のために」、一番感動しているのは「国が、国のあり方が庶民のために国民のためにある、国のために国民があるのではなくて、庶民・国民のために国がある」ということなんですね。そういうことに非常に感動してまして、世界中がそうなってくれたらいい。この国が経済封鎖もあって、豊かな国ではないのですが、資源がそんなに豊かではないのですが、余ったものを分けるのではなく、自分たちのできることをしようということで、困った人のところに援助をする。こういう文化はとても大事なことなんですね。少しでも世界中がよくなるように、自分だけでなくて世界中がよくなるように、そういうところを観光のなかでも、是非感じていただければと思います。

■吉田太郎さんのスピーチ
 キューバに5月に行ってきました。キューバでは不安感がなかったのですが、帰りのカナダで事件に巻き込まれまして、もしかしたら病気にかかっているのではないかということで、一週間自宅謹慎を。今日ここに来てるということは健康に問題がなかったということです。去年大変なハリケーンにキューバは見舞われたんですね。リオというところにパラムパオチオというところがあって、どうしてそういうところで人が死なないのか?アメリカだとカトリーナであれだけのたくさん人が死んでいるのに、現地をみてこようと思っていきました。半年もたっているのにいまだに屋根が吹っ飛んだような環境があるのですが、だれもが活気あって、たとえば足が悪いおばあさん、小さな子ども、そういった人が安全なところに避難している。当たり前のことですが、そういう仕掛けを国としてとった、そして誰も死ななかった。もし日本でこういうことが起こったらどうなるだろう。改めてこの国の、貧しい国なんですけれど、考え方というのを勉強しなくててはいけないと思いました。つまり、キューバは一言で言うと貧乏国ですけれど、貧困国ではない、困ってはいないのじゃないか。ブログとかでキューバの悪いことを書いているのですけれど、あまり困っていない、そのことをあらためて感じた次第です。

こんな楽しい出し物もありました。