ベネズエラの地方選挙成功と与党PSUVの勝利を祝う
米国は「不正選挙」呼ばわりを撤回し、制裁を解除せよ

 
 

 11月21日、ベネズエラ全土で地方選挙が行われました。選挙結果はマドゥーロ政権の与党統一社会党PSUV/大愛国極GPPの圧倒的な勝利でした。私たちは地方選挙の成功とPSUV/GPPの勝利を祝います。
 今回の選挙は州知事、市長、地方議員を選ぶもので、約2000万人の有権者のうち、800万人以上が投票し、投票率は42.26% でした(選挙評議会CNE第2次発表)。現段階でPSUVは23の州知事のうち18で勝利し、野党の民主統一会議MUDが2つ、他の党が1つで勝ちました。また、カラカス市長もPSUVが勝利しました。PSUVは前回の2017地方選挙の19知事と並ぶ知事を獲得しました。全国335人の市長のうち205人がPSUV/GPP、MUDが59、民主同盟ADが3、他の勢力が21をとりました。マドゥーロ大統領は選挙後、与党が23の州知事とカラカス市長のうち21で勝利したことに感謝するとともに、選出されたすべての知事、市長と行動について政治的討論を進め、協力ができることを強調しました。

選挙の成功は米国の敗北
 選挙にはCNEに登録された7000人の候補者が参加しました。与党PSUV/GPPだけでなく、ベネズエラ共産党PCV/人民革命オルタナーティブAPR、強硬右派のMUD、右派のADなどほぼすべての政党、政治勢力が参加しました。強硬右派MUD等が大統領選挙までのボイコット、反乱戦術を後退させ、選挙に参加してきました。2017年以来、選挙にほぼすべての政党が参加するのは初めてのことです。マドゥーロ政権の粘り強い対話と働きかけの成果であり、米の「マドゥーロは独裁で、民主主義は存在しない」というデマを事実で打ち砕くものです。
 また選挙そのものも極めて平穏に、正常に行われました。今回の選挙にはこれまで選挙監視団を送ることさえ拒否してきた欧州連合(EU)の100人近い選挙監視団を含む国連やカーターセンター等など、さらにラテンアメリカ諸国からの参加者も含めて300人以上の選挙監視団が入りました。これらの人々は選挙が不正無く行われたことを報告しています。米の弁護士組合のオブザーバーは「我々は有権者が自信を表明したバランスのとれた透明な投票プロセスを観察した」と公表しました※。EU監視団のイザベル・サントス代表も選挙が「以前よりも良い条件で実施されている」「過去20年間で最もバランスの取れた選挙」と述べCNEを称賛した。今回の選挙の成功を認めるなら、今後EUがベネズエラ政府に対する制裁をどうするのか注目されます。直ちに制裁解除に進み、関係正常化を行うべきです。
 自称暫定大統領グアイドはまったく浮き上がって完全に孤立しています。彼らが所属した強硬右派、いわゆる4大野党G4全てが選挙ボイコット、クーデターを含む政権転覆政策を放棄し、正規の議会政治の枠組みに復帰したのです。いまや政権を認めず、米によるマドゥーロ政権転覆を支持するのは、米の完全な操り人形になっったグアイドらごく少数のものだけです。足下の野党からも見捨てられたのです。
 米国は思うようにベネズエラの政治に干渉し妨害することができなくなっています。メキシコでの政府と反政府派との対話をベネズエラ外交官逮捕で邪魔をし、グアイドらを選挙から引きはがすのが精一杯でした。ブリンケン国務長官は選挙が「国民の意思を表していない」と声明を出しましたが、その理由や根拠を説明することはできませんでした。今回の選挙で米の主張に正当性など無く、ますます説得力を失っていることが明らかになりました。
米国の法的オブザーバーは、ベネズエラの「バランスのとれた透明な」選挙プロセスを報告する(Common Dreams)

米はベネズエラ人民を苦しめる制裁を解除せよ
 今回の投票率は42,26%で、昨年12月の議会選挙の30%よりも12ポイント増加しましたが、まだ高いとは言えません。国内でボイコットを呼びかける野党はなくなり、全部の野党が参加しましたから、ボイコットによる低投票率ではありません。一つはコロナ禍が依然続くことが反映しています。最大の要因は米国による制裁が続き、深刻な生活苦が続く中で、何年も政治抗争が繰り広げられるなかで、政治不信と無力感があるのです。
 政権与党は選挙結果を受けて、野党との対話を更に広げながら、国際的に正統な政権を改めてアピールし、米と欧州による根拠のない制裁、とりわけ貿易そのものを不可能にしているドル制裁の撤廃を求めていくことになります。ベネズエラはもともと世界最大の石油埋蔵量を持つ豊かな国なのです。それを経済封鎖と貿易禁止によって食料や物資の不足を引き起こしているのは米国です。ベネズエラの人々を最も苦しめているのは、マドゥーロ政権ではなく、米国です。われわれはベネズエラの人々、政府と連帯し、米による制裁の即時の撤廃を要求します。

    

2021年11月25日
リブ・イン・ピース☆9+25