連続カフェ第4回 「高市政権が突き進む軍国主義化が私たちにもたらすもの」
―相次ぐ米国の侵略に協力して共に戦争への道を突き進む高市政権。これを止めるには―

 3月7日、リブインピース連続カフェ第4回「高市政権が突き進む軍国主義化が私たちにもたらすもの」がエル大阪で開催されました。大勢の方に参加していただき、会場がほぼ満席になりました。
 最初に主催者の方から、トランプ政権の年明け早々のベネズエラ侵略、キューバへの石油封鎖、そして2月末のイラン侵略という状況の中で開催されているカフェなので、高市政権だけでなく、米国が実際に行っている侵略についても取り上げたいと述べられました。

 今回のカフェでは3つのテーマで報告がなされました。
《第1報告 高市政権が突き進む戦争国家への道》
 選挙に勝利した高市政権がやろうとしていることは、「強く豊かな日本列島」の掛け声の下に、中国を標的とした戦争準備とそのための全面的な「戦争国家」化であること、そしてそれは世界の平和と私たちの生活を破壊する。
 高市首相は「戦後最も厳しき複雑な安全保守環境」にあると述べ、過去最大の軍事予算を計上した。そこでは長射程ミサイルの開発、量産の加速や戦闘の中・長期化をにらんだ戦闘継続能力の強化が進められようとしている。宇宙やサイバー領域の今日か、ドローン兵器の本格導入の開始などが勧められている。
 さらに「防衛装備移転3原則運用ルールの見直し」を閣議決定しようとしているが、その実態は殺傷兵器の輸出の全面解禁である。
 また、「国家情報局」による戦争国家への監視司令塔が誕生しようとしている。これまでの「特定秘密保護法」が情報を漏らした公務員を対象としていたのに対し、「スパイ防止法」案では、一般市民までもが対象となっている。
 さらには非核三原則の見直し、「憲法改正」までももくろまれている。
 こうした軍備拡張に対して、全国でミサイル配備と基地拡大に反対する行動がつながりつつある。東京では2月に首相官邸前で「平和憲法を守るための緊急アクション」が呼びかけられ3600人が参加し、そのうちの7割が若者であることに新たな希望がある。

《第2報告 中国は、日本の「新型軍国主義」を止めるため、批判と行動を強めている》
 中国が高市政権を批判するのは、日本のマスメディアで言われているような「過剰反応」や「外交カード」などではない。高市首相の「台湾有事」発言が中国にどれほど脅威となっているかを理解することが必要である。
 中国は国連で繰り返し日本政府を批判している。「台湾有事発言は、中国の内政に露骨に干渉するものであり、国際秩序に公然と反している。」「敵国条項は日本の軍国主義の頭上に剣がぶら下がっているようなものである。」
 中国は今年に入って日本を「新型軍国主義」と規定し、日本の軍国主義化を全面的に批判し始めた。
 「新型軍国主義」はもはや水面下の潮流ではなく、現実の政策として姿を現している。これを止めるために、中国は外交手段の行使から輸出規制へと踏み込んだ。中国が輸出規制しているのは、軍民両用物資であり、対象としているのは軍需産業を担う会社である。それら三菱重工や川崎重工などは今まさに「軍事バブル」で株価が急騰している。
 米国は米中国交正常化に際して「ひとつの中国」を確認している。日本も同じである。高市首相の「台湾有事」発言はこの約束を踏みにじるものである。
日本の中から、高市政権の「新軍国主義」への批判と行動を強めなければならない。

《第3報告 米国とイスラエルは国際法違反のイラン攻撃をやめろ 自衛隊を参戦させるな》
 2月28日、米国とイスラエルがイラン侵略を開始。明らかに国際法違反、自衛権はイランの側にある。イランは甚大な被害を被った。最高指導者ハメネイ師らが殺害される。小学校が攻撃され女子児童160人が殺された。市民の犠牲は3月4日で1000人以上。
 トランプとネタニヤフの戦争目的はイラン現体制の政権転覆。ネタニヤフはさらに「大イスラエル」(ナイル川からユーフラテス川までの広大な領土)構想による中東支配。
 トランプの弁明は嘘だらけ。イランとは「核開発」を巡り交渉中であったが、イランの譲歩で合意寸前だったのに、突然の攻撃。「交渉」は侵略の準備が整うまでの時間稼ぎ。
 この侵略戦争を高市首相は事実上支持し、自衛権を行使するイランのみを批判。
 年末からすでにイランに対して「カラー革命」(クーデター)が仕掛けられていた。米財務長官が為替操作でイランの通貨を下落させ、商人たちの請願デモを引き起こし、それに乗じてCIAなどの要員が銃撃戦を開始。政府はインターネットの遮断で外国からの指令をシャットアウトし制圧した。イランの大多数は政府を支持している。
 トランプの戦争目的はすでに破綻している。トップが倒れてもイランは屈せず反撃をおこない、ホルムズ海峡の封鎖により戦争は長期化の様相を示している。
 世界の反戦運動はイラン攻撃に直ちに抗議の声を上げた。世界と力を合わせて自衛隊の参戦を阻止しよう。

これら3つの報告を受けて、活発な質疑応答がおこなわれました。
Q1 マスメディアがなぜこぞって高市首相を英雄視しているのか? 新聞では批判もみられるが、特にテレビがひどい。それはなぜか?
A1 様々な理由が挙げられるが、ひとつは安倍首相時代にメディア介入が進んだこと。それから新聞を講読する人が減り、読者ではなく、経営者、広告主の意向が大きな影響を持つようになっていること。
 高市の人気の高さは、数年前の橋下人気と似ている。そのころも人気の高さ故、マスメディアはほとんど批判できていなかった。維新が批判されるようになったのは、都構想の住民投票で二度も負けてから。今野党の分が悪くなっているが、街頭での世論作りを共同で行い始めた。東京の集会で集まった7割が若者だということに希望を感じる。

Q2 テレビを見ていたら頭がおかしくなりそう。米国がイラン攻撃を「成功」させたという米国の立場に立った報道の仕方もそうだし、ここまでやるのかということにも。いったい今の世界をどう見ればいいのか?
A2 ラテンアメリカについて見れば、貧しいから資金を調達して国を発展させたがっている。ここで、米国系の資金の利息が10%であるのに対して、中国系の資金は3.5〜4%。当然金利の安い方の資金を借りる。また、米国はモノを作れなくなっており、中国や東南アジアからの輸入が増えている。しかし、米国はラテンアメリカを自らが自由に支配できる植民地と考えているので、それが自分たちから離れていくことに危機感を抱いている。そこで、軍事力でトップをつぶせば、その国をつぶせると思い込んでいる。だから戦争を仕掛けている。ヨーロッパも、そして日本も米国についていき、そのおこぼれをもらうしかなくなっている。

Q3 イスラエルが米国をたきつけたそうだが、なぜイスラエルはここまでするのか?
A3 イスラエルでは戦争に80%が賛成。アラブが敵であるという教育を80年もやってきた。「大イスラエル構想」(右図)を実現して初めて平和になると考えている。それに対抗する最大勢力はイラン。だからイランを何としても倒したいと考えている。

Q4 米軍のステルス戦闘機が湾岸諸国の米軍基地からではなく米本土から出撃している。それは湾岸諸国が主権国家だから米軍基地をイラン攻撃に使わせていないのか? 日本の場合、米軍基地を使わせるのか?
A4 もうすでに横須賀基地から出撃している。湾岸諸国の中でイラン攻撃に協力している国もある。ヨーロッパでは、ほかの国が米国に協力的であるが、スペインは自国の基地を使うなと強硬に主張している。
 イランは湾岸諸国の米軍基地をいくつか攻撃した。しかし、トルコやタジキスタンへの攻撃に関してはイランは否定。「偽旗作戦」(米国やイスラエルが他の国を巻き込むためにわざと攻撃)の可能性がある。情報戦が渦巻き、事実は不明。

Q5 中東アラブ諸国は今の状況をどう考えているのか?
A5 湾岸諸国のうちサウジ・ヨルダン・UAE等以外は米軍に基地を使わせなかったが、それでもイランからの攻撃があったことで最初はイランを非難していた。しかし、今は米国の方に非難の矛先が向いている。というのも米国はそれらの国の米軍基地は守るが、それ以外の場所は自分たちで守れと言ってきたから。

Q6 中国は日本が「敵国条項」に該当すると見なしているが、それは日本に対して戦争をしようとする意図があるからなのか?
A6 「敵国条項」は生きているが、中国は経済発展をしたがっている。(途上国はみんなそう。中国も半ば途上国)日本に自分から戦争を仕掛けることはない。自分から攻撃しないことを基本政策としている。

Q7 国家がひどい。街頭に出るしかない。東京では官邸前行動など、各政党が横の連携をとる動きが出ている。関西ではそういう動きがない。全国で街頭行動をすべき。
A7 関西ガザの集会で各政党に代表の参加を呼びかけている。
 5・31の舞鶴集会もあり、その前段の戦争止めよう4・19を関西の総結集にしたい。

Q8 このまま軍拡をしていくと一般市民にどんな影響が出るのか?
A8 予算規模では、今GDP比2%の戦争関連予算が、米国の言うとおりにすれば5%になる。そうすると社会保障費などが現在の3分の2になる。これでは生活していけなくなる。

 最後に各方面から企画の紹介がありました。(大阪の「アジアから問われる日本の戦争」展(5月2〜4日)とそのプレイベント「みんなで話そう パレスチナの平和、日本の戦争 3.22戦争と平和を巡る若者との対話」など)。リブ・イン・ピースでは4月4日にベネズエラ大使をお呼びして講演会をする予定です。また、会場で呼びかけたキューバへの緊急カンパは約5万円あまりが集まりました。現在、キューバには直接送金できないので、必要な物品を購入して送る予定です。皆様ありがとうございました。

2026年3月10日
リブ・イン・ピース☆9+25