リブ・イン・ピース☆9+25 第4回オンライン・カフェ
「中国悪玉論──それって本当?その2」報告

 5月30日、リブインピースによる第4回目のオンラインカフェが前回に続き「中国悪玉論──それって本当?その2」のタイトルで、報告テーマは「台湾有事を煽っているのは誰か?」と「『ウィグル・ジェノサイド』のウソ」の2つで行われました。

 3月9日、米国上院軍事委員会でインド太平洋軍司令官・デビッドソンが「中国は6年後台湾に侵攻する可能性がある」と証言、4月16日には日米首脳会談で共同声明に「台湾海峡の平和と安定が重要」と記載など、台湾有事が言及され台湾有事が切迫してるかのような報道があります。
 初めに、本当に報道されるような台湾有事・尖閣有事はあるのか?そして台湾と中国は対立を強めているのか?現状はどうなのかを確認していこうという報告がありました。  台湾有事とされる根拠として中国の空軍機による台湾防空識別圏進入や空母の動き、ミサイル等の兵器の増強があげられますが、これは日常的に行われている米軍による中国本土に至近距離まで接近している行動に対しての牽制であり、中国空母遼寧の動きは毎年4月に台湾を越え南シナ海に入る定期訓練で、台湾に対する有事でないこと。また米軍空母部隊の南シナ海への進入は今年1月から4回行われているとのことでした。メディアはこれら米軍の行動についてはほとんど報道をせず、中国の脅威のみを報道しています。
 「中国が台湾を武力で統一しようとしている」という報道については、台湾の蔡英文政権は中国からの独立傾向を強調するが、台湾世論の圧倒的多数は現状維持を望んでおり紛争や戦争を巻き起こす状況にはないこと。そして中国も「平和的統一」が長期の基本方針で自分から武力統一という姿勢はまったくない。外部が干渉して「独立」させる動きが出た場合には武力なしとは言えないというだけだ。「武力統一が最優先」などというマスコミの報道はまったくでたらめで、党大会での優先順位は(1)平和的環境、(2)経済成長と貧困撲滅、(3)台湾との統一であり、3番目であり、平和や経済が優先である事が報告されました。
 台湾有事・尖閣有事の報道はプロパガンダであり、台湾有事を米政権の絶好の道具とし、日本や欧州を対中国軍事包囲に巻き込み、なにより日本を主体的に参加させようとしていること。事実、菅政権は石垣・宮古・奄美にミサイル基地を建設、多国籍軍と共同演習・訓練と米の対中軍事強攻策に協力していることが報告されました。
 最後に、コロナで人々が生活に逼迫し医療体制が崩壊しても軍事費は例外的に拡大し戦争の危機にさらそうとしている、これを防ぐためにプロパガンダを批判し事実に基づき人々を説得する重要性が指摘されました。

 後半は前回に続き「ウィグル・ジェノサイド」のデマ・ねつ造について、その後の動きも含めて報告がされました。
 「ジェノサイド」のデマ・ねつ造の情報源が「福音派共産主義犠牲者記念財団」の上級研究者であるエイドリアン・ゼンツという、ただ1人によるもので、この財団は米CIAの隠れ蓑「全米民主主義基金」から資金援助で運営しているとのことでした。
 新疆ウィグル地区で人口増加率84%減少やウィグル族で避妊手術が増加している等の報道もゼンツが提示する写真付きの論文や資料が事実とは異なり、あまりにも杜撰で嘘っぽいかがわかりました。わずか8人のウィグル人のインタビューで「100万人が強制収容所」と宣伝報道したオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)も研究所の資金提供者が米国務省などの外国政府や民間軍事会社で日本政府も含まれていることもわかりました。ウイグル・ジェノサイドフェイクの世界がどのようにねつ造されていくのかが非常によく分かる報告でした。
 米国の情報機関などの資金援助のもと「ジェノサイド」があたかも本当かのように情報を流し、それが報道され、2022年北京五輪のボイコット、新疆産の綿シャツを販売しているユニクロや無印など、企業へ圧力を掛けたりと中国悪者、中国批判がされています、一方的な報道は危険で許してはいけないことを確認しました。


報告1 「台湾有事を煽っているのは誰か?」
報告2 「『ウイグル・ジェノサイド』はデマ・ねつ造」

2021年6月13日
リブ・イン・ピース☆9+25

※リブ・イン・ピース☆9+25のホームページで、シリーズ「新冷戦」に反対するを連載中です。