2026年4月4日、大阪市内でベネズエラ・ボリバル共和国イシカワ大使の講演会をリブ・イン・ピース9+25とキューバを知る会・大阪の共催で行いました。約120人が参加し会場は満杯となりました。講演は「1月3日の米侵略から3ヶ月後のベネズエラ:平和と継続の保証としてのコムーナ(共同体)」のテーマで開催され、米国の介入と暴挙に抗して、力強く前進するベネズエラの現状とそれを支えるコムーナの力を実感させるものとなりました。大統領夫妻の拉致・連行は明確な国際法違反 イシカワ大使は講演の冒頭で、リブインピースが1月4日に呼びかけた抗議行動について、「1月3日の事件が起こって、世界で最初にベネズエラに向けて団結の活動をしてくれたのは皆様ではないか」と述べ、主催者であるリブ・イン・ピース9+25およびキューバを知る会・大阪の連帯活動への深い感謝を述べ、この連帯がベネズエラ国民にとって大きな希望であることを強調しました。 イシカワ大使は、1月3日の侵略と大統領夫妻の拉致連行について、他国を侵略し現職大統領を軍事力で連れ去る行為は、国連憲章第2条1項、4項にも違反する暴挙だと厳しく糾弾しました。米国がマドゥーロ大統領に科した「麻薬テロ」という罪はすでに破綻しています。トランプ大統領は議会で「もし他国が米に対して同じことをし大統領を拉致連行しても許されると考えるのか」と質問され、トランプ大統領は答えることはできませんでした。1月5日の最初の法廷で、マドゥーロ大統領は全く正当に「自分はベネズエラの大統領であり、罪は否認する。そして、軍事介入によって誘拐された戦争捕虜であり、ジュネーブ条約で守られるべき身分である」と訴えました。 石油略奪と厳しい制裁のもとで経済成長を実現 大使は、この軍事介入の目的は人権や民主主義ではなく石油の略奪であると断言し、10年以上にわたる制裁の厳しさを説明しました。2015年から外貨収入は400億ドルから100分の1まで激減しGDPも低下、深刻な低栄養や死亡率の増加といった人道的被害が生じました。現在もベネズエラには1,000以上の不法な制裁が科されており、これはまさに「経済戦争」だと指摘しました。しかし制裁と侵略という危機的な状況下で、ベネズエラは2025年まで15四半期連続(約4年)で経済成長を遂げています。画期となったのは、2020年9月の炭化水素基本法で、ベネズエラに投資する石油会社を優遇するという内容が含まれています。ベネズエラが米の経済制裁のもとで高い経済成長を回復したことは、米にとって「悪い見本」となってしまっています。大使は、1918年社会主義ソ連が生き残るためドイツと妥協したブレスト・リトフスク条約を引き合いに出し、犠牲を払って一時的に撤退する時期に来ていると語りました。 コムーナの力と女性のリーダーシップ 制裁下で経済成長を実現できた秘密は、全国に広がるコムーナにあると、大使は力強く語りました。それは資本主義や介入に抵抗する新しい社会モデルであり、想像を超えたユニークなものです。住民が自ら経済、治安、日常生活の意思決定を行い、電気、ガスなど公共サービスも共同で管理しています。全国に数千あるこうした単位が、ボリバル革命の正当性を支えています。2026年3月8日(国際女性デー)に行われた国民投票には、420万人以上が参加しました。国民投票はお祭り騒ぎです。国民投票は、プロジェクトを選ぶ選挙で、保健、教育、食糧、安全、公共サービスなどの分野で選ばれた事業に予算がつけられます。特筆すべきは、コムーナのリーダーの約80%が女性であることです。彼女たちが革命の重要な基盤となり、地域の問題を主体的に解決しています。 ![]() 大使は、「現在のベネズエラは世界の未来が映し出された鏡だ」と述べ、一枚の写真を示しました。ロドリゲス大統領代行が「コムーナ」の人々に囲まれ、みんな幸せそうにしています。自分たちの事業が国によって守られていると感じているのです。大使は、一国の大統領が拉致連行され他国で裁かれることが許されるならば誰も安全ではない、しかし「コムーナ」に目を向けると別の選択肢があることがわかります、と語りました。 大使は以下のように呼びかけました。「皆さんに団結を呼びかけたい。それは、マドゥーロ大統領夫妻に限らず、自らの運命を決めるのはニューヨークの裁判所ではなく自分たちの地域の集会だと決意した国民に対しての団結だ」。最後に、WBCのベネズエラチームへの応援への感謝で締めくくりました。 質疑応答 講演後、以下の興味深い質疑応答がありました。 Q1:コムーナのリーダーはどう選ばれ、富裕層は参加しているのか? A1:富裕層は参加していない。コムーナは低所得者層が直面する社会的問題を解決するための組織だからだ。女性が多いのは、家庭だけでなくコミュニティ内で深い信頼関係を築いているからだ。 Q2:食料自給率と土地の制度について。 A2:かつては石油収入に頼って食料の85%を輸入に頼っていたが、現在は90%以上を国内生産している。バリオでの土地権利について、住居が階層的に立ち複数の家族が住むが「キッチンがある住居に住む人が、その土地の名義人になる」という革新的なルールを自分たちで決めて実行している。 Q3:日本政府への要望と、マドゥーロ大統領への弾圧報道について。 A3:マドゥーロ大統領は、精神的・肉体的に非常に元気であり、息子とも連絡を取っている。メディアが報じる「弾圧」や「独裁」は、米国が政権転覆を正当化するために作り上げた物語に過ぎない。「国際法を世界の平和のために守る」ということを日本を含むすべての政府に要望したい。 2025年4月16日 |
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