[速報]3.22イラク戦争開戦6周年 映画&講演会 「冬の兵士が語る『対テロ戦争』の真実」
米帰還兵の勇気ある告発と田保さんのジャーナリスト魂に感涙

 3月22日(日)、大阪市の浪速人権文化センターで、リブ・イン・ピース☆9+25主催、3.22イラク戦争開戦6周年 映画&講演会「冬の兵士が語る『対テロ戦争』の真実」を行いました。50名を超える参加者で、映画「冬の兵士−良心の告発」の上映の後、制作者である田保寿一さんの講演を聴き、質疑応答を行いました。
 田保さんは、映画に十分に入れられなかった問題として、帰還兵の自殺問題とPTSD(心的外傷後ストレス障害)、TBI(脳障害)問題を補足し、とりわけTBIがイラク戦争の特徴であることを説明しました。また戦争の目的がでっち上げであったこと、つまり「戦争の大義」が喪失したことが、深刻な精神疾患をもたらしていると語りました。またベトナム戦争では10年程度たってホームレスが増えるようになったが、イラク戦争では即ホームレスになっているなど「帰還兵問題」が深刻な段階に入っていることを明らかにしました。
 田保さんの話でもっとも深い感銘を与えたのはも、帰還兵の息子を自殺でなくした母親の証言の紹介です。田保さんは、証言をした夫婦の様子にもふれながら、母親の証言を読むとき何度も涙で声を詰まらせました。会場の参加者も目を真っ赤にして聞いていました。
 また、田保さん自身のイラク取材について、特にサドル師との単独インタビューについては特に興味深いものでした。サドル師はシーア派の指導者とされているが“イラク全体のことを考える政治的指導者”という方が実態にあっていること、スンニ派の拠点ファルージャへの米軍の攻撃の際、これに反対したのはシーア派ではサドル師だけであったこと、「自衛隊の派兵についてどう思うか」と質問したとき、サドル師が「外国の政治にとやかく言うことはしないが、日本政府がアメリカに気を遣って派兵するというのならそれはよくない、人は自分の意思で物事を決めるべきだ」と語ったことなどを紹介しました。マスコミでは全く触れられていない重要な側面でした。
 参加者からジャーナリスト履歴について話して欲しいという声があり、田保さんは湾岸戦争での水鳥スクープや劣化ウラン問題などについて説明をしました。そして圧巻は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)拉致問題に対するマスコミの対応批判です。「田保寿一のジャーナリスト職務歴」にもあるように田保さんは自らが掘り起こした拉致問題についてその解決には日朝関係の改善が不可欠だと考えていました。ところが小泉政権やそれ以降の政権もメディアも北朝鮮バッシングに利用しはじめました。それで田保さんはこの問題から退かざるをえなくなった、といいます。今北朝鮮を語っているジャーナリストでまともに拉致問題を取材した者はいない、真剣な取り組みもなくいたずらに北朝鮮脅威を煽っている、全く許し難いと、田保さんは鬼気迫る様相で語りました。ジャーナリスト魂が伝わってきました。
 田保さんの講演内容、質疑応答など一つ一つが貴重な発言で、とても簡単には書ききれないため、改めて詳しく報告することにします。是非、各地で「冬の兵士──良心の告発」の上映会を行ってください。また、田保寿一さんの講演会を開催してください。「冬の兵士──良心の告発」について、是非私たちの手でこの映画を広げていきましょう。
 最後に、田保さんが講演のおわりにみんなに呼びかけられた言葉を紹介します。
 「私は若い兵隊さん達をみて、すごい人間のあり方に感動したんですよ。それで一つお伝えしたいと思います。彼らは兵隊なので戦友ということになるでしょう。戦友のことをシスターズ&ブラザーズと呼ぶんです。で、シスターズ&ブラザーズであいさつします。私は今日その感動をみなさんにお伝えしたいと思います。
   兄弟姉妹の皆さん、一緒に頑張りましょう。

2009年3月24日
リブ・イン・ピース☆9+25


アンケートに寄せられた感想

メールで送られてきた感想

[資料] 

(実費100円)
当日配布した映画&講演会 資料(24ページ PDF)
 以下の「冬の兵士シナリオ」「冬の兵士登場人物」「田保寿一のジャーナリスト職務歴とイラク取材」が入っています。
(ダウンロードしてお使いいただけますが、プリントしたものをご希望の方は、プリント代(白黒)実費一冊100円+送料80円をご負担下さい。)
 なお、情報は「冬の兵士――良心の告発」公式ホームページより転載したものです。)

冬の兵士 シナリオ

田保寿一のジャーナリスト職務歴とイラク取材

シリーズ『冬の兵士――良心の告発』を観る