シリーズ 韓国・徴用工判決 安倍政権の「嫌韓キャンペーン」を批判する
 
(1)韓国大法院が新日鉄住金・三菱重工業に賠償命令
日本政府と企業は判決を受け入れよ

 昨秋出された、韓国大法院(最高裁判所)の「徴用工」に関する判決以降、日本国内では、「嫌韓キャンペーン」の嵐がすさまじい勢いで吹き荒れています。安倍政権は、判決だけではなく文在寅政権、果ては韓国そのものに対する罵倒、異常な誹謗中傷を投げつけています。大手マスコミを含むメディアも同調しています。しかし、安倍政権やメディアによる韓国・文政権への中傷は、全く歴史的事実に基づかない、虚偽によるものであり、日本が行った朝鮮半島への侵略と植民地支配の責任を覆い隠すためのものです。私たちは、歴史の真実を知り、排外主義に抵抗しなければならないと考えます。今回の大法院判決の意義と安倍政権の主張のウソについて、連載で明らかにしたいと思います。

 10月30日、韓国大法院(最高裁)は、戦時中日本で強制労働させられた韓国人元徴用工4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、同社に1人あたり1億ウォン(約1千万円)を支払うよう命じました。11月29日には三菱重工に対しても、元徴用工5人の遺族と、元朝鮮女子勤労挺身隊員の女性ら5人に損害賠償支払いを命じました。私たちは、これら一連の判決を全面的に支持します。新日鉄住金、三菱重工業は判決に従い、賠償金を即時支払うべきです。

 新日鉄住金訴訟の原告の4人は、1910年の「韓国併合」によって日本の植民地下にあった朝鮮半島から41年〜43年に日本に連れてこられ、日本製鉄(現新日鉄住金)で自由を奪われ強制労働させられ、賃金の支払いもされなかったとして慰謝料を請求していました。また、三菱重工業訴訟の原告・遺族10人は、国民徴用令のもと44年から広島の三菱重工の工場に動員された韓国人元徴用工5人と、44年から名古屋市内の軍需工場で働かされた女子勤労挺身隊の5人です。

 「徴用工」とは、当時日本の植民地であった朝鮮半島から炭坑や鉄道敷設、建設現場等での労働力として、日本に強制動員・強制連行され過酷な労働を強いられた人たちです。1939年に本格的に始まり、敗戦の45年まで戦局の悪化とともに拡大・過酷化していきました。一連の裁判の原告の中心は若くても80歳代後半であり、すでに裁判途上で亡くなった原告も数多くいます。これ以上、長引かせてはなりません。

 安倍政権は、「国際法に照らしてありえない判断」「両国の関係の一番の法的基盤が根本から損なわれた」など、異常に高圧的な姿勢で、この判決と文政権を批判し続けています。メディアも同じです。「日韓条約を根本的に覆すものだ」「韓国政府は毅然と対応せよ」「国同士の約束を反故にするな」など。しかも、安倍政権は、被告企業に対して賠償金を支払わないよう圧力を加えています。
 要するに、安倍政権もメディアも、韓国政府に対して判決を覆すよう要求しているのです。「行政権力が司法権力の決定を覆せ」というのです。しかも、日本政府が韓国の大法院の判決を覆せと要求しているのです。内政干渉もはなはだしい。韓国をいまだに植民地扱いするかのような態度です。

 そもそも、天皇制日本軍国主義の敗戦から73年、なぜいまだに韓国の大法院で「徴用工」が問題になっているのでしょうか? そこを考えなければなりません。それは敗戦後日本政府が一貫して植民地支配の誤りを認めず損害賠償を拒否してきたからです。もともと「徴用工」の原告らは日本で訴訟を起こしましたが、日本の最高裁判所によって棄却されました。歴代自民党政権も司法も門前払いした結果、やむなく韓国で訴えるしかなかったのです。だからこそ今も損害賠償請求が続いているのです。

2019年1月23日
リブ・イン・ピース☆9+25


シリーズ 韓国・徴用工判決 安倍政権の「嫌韓キャンペーン」を批判する
(1)韓国大法院が新日鉄住金・三菱重工業に賠償命令 日本政府と企業は判決を受け入れよ
(2)韓国大法院判決が明らかにしたこと(その1)――日本による植民地支配の違法性
(3)韓国大法院判決が明らかにしたこと(その2)――個人請求権の認定。日韓条約で解決済みは暴論